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今日はシャツの上にベストを着ていたので、そのベストのボタンを外して脱ぐ。ダークブラウンのシャツは、細身の身体を際立てるのにぴったりだった。 稜は基本的にお洒落に関して無頓着だが、着るものの質がいい。たまに橙里が服をあげる、というより押し付けるのだが、それもたまに着たりしている。 シャツの第二ボタンまで外し、テレビを付けて大袈裟にリアクションをするタレントを上の空で見ていると、稜が皿を置いた。 そこには生ハムやカプレーゼが盛り付けされていて、バジルがかかったカプレーゼは空きっ腹に丁度いい量だった。 「おいしそー」 「まだある」 そう言いながら稜が置いたのは、マカロニサラダやシーザーサラダなど。あっさりとしたサラダが透明な小ぶりの器に盛り付けされている。しかも、橙里の好きな野菜ばかりだ。 「あ、パセリ入ってる。稜あまり好きじゃなかったよな?」 「おまえは好きだろ」 「僕の為?」 「……仕方ねえけどな」

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