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「稜ってかっこいいよねぇ」 「……」 「今まで見てきた人の中で一番かっこいいよ」 無愛想な顔だとしても、実は橙里は稜の顔を好いていた。それを普段から言うことは絶対にありえないのだが、酒の勢いで柄じゃないことを言ってしまう。 「怖いけど優しいもんね。ぼく、稜の顔大好きなんだー」 「顔?」 「うん。あ、顔だけじゃないよ!」 「例えば?」 「うーん……くちびる?」 「阿呆、それは顔だ」 稜のもっともな返しに、橙里はケラケラと笑う。対して稜は、普段ガードが固い橙里が隙がありすぎる姿を見せることに少しだけ動揺していた。 稜にぐったりともたれかかり「うー」と小さく唸る。 「なんか、足りないなあ」 「は?」 「温もりが欲しいのになんか違う……」 自分を抱きしめるように腕を交差させると、稜が腕を広げてくる。
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