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橙里が目を覚ましたのは、午前四時だった。確か昨日は稜とワインを飲んだはずなのだが、飲み始めてからの記憶が一切ない。
なにか変なことを口走っていなければいいのだが、酔ったら自分がなにを言うか自分でも全く予想がつかない。
「てか、二日酔いかよ……」
そんなに飲んでいないはずなのだが、かなり頭が痛い。大音量の音楽がずっと頭で流れているようだ。
だが、目が覚めたのは二日酔いだけの所為だけではないと思う。
隣で寝ているはずの稜がベッドに寝ておらず、温もりが消えているのだ。
一体、稜はどこに行ったのだろうか。
あたりをきょろきょろと見渡していると、足音が近付いてくるような気がした。閉まっているドアを見ているとゆっくりと開き、木の盆を持った稜が入ってきた。
「……起きたのか」
「うん。昨日僕、なんかやった?」
「別に。頭痛えならこれ飲め」
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