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「特別っていうのは色んな意味を指すけどさ、自分のなにもかもをさらけ出すって意味ではないと思うよ?」
「俺も自分のこと全部言うのは抵抗ありますね。大事に思っている人なら尚更、自分の弱いとこなんて知られたくないですし」
二人の言葉を聞き、そうなのかなあと思う。確かに橙里も自分の全てを知って欲しいとは思わないが、そんな思いとは裏腹に全てを知りたいというのがある。
何故、矛盾してしまうのだろうか。
「僕が心配性なのもあるかもしれないけど、僕が知らないこと全部知りたいって思っちゃう。これって、変?」
少しだけ不安になり、羽村と戸園を交互に見ながらそう話すと、戸園が優しい声で言ってくれた。
「そんなことないと思いますよ。だって、全てを知りたいっていうのはそれほど相手のことが好きってことやないですか。それほど好きになれる相手を探せばええと思います」
「そうだね。それに、お互いがちゃんと愛し合ってるなら全部知られてもいいって思えるんじゃない?」
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