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シャンプーのボトルを引き寄せ、シャワーヘッドを右手に持ってから洗い始めた。 稜の髪の毛を大体濡らしてから、シャンプーを付けていく。 耳や額に付かないように気をつけながら、泡立てる。稜が目を閉じて、黙って髪を洗われているのが少し面白い。 「痒いとこある?」 「いや」 女だとシャンプーが大変なのだが、男だとすぐに終わる。 いつも通り後頭部も洗ってから流していく。泡がお湯と一緒に落ち、黒い髪が姿を現す。 前髪に付いた泡を流す。顔にお湯がかからないように手を当てて、慎重に流すと、稜が少しだけ吐息を吐いた。 大体流し終えてから、リンスを付ける。リンスを付けすぎるとベタベタになってしまうので、付け過ぎないように注意する。 全体に馴染んだところで、髪を撫でるように泡を落としていく。

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