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「ほら……イけよ」
「んあっ、や……っ!」
耳元で甘く囁かれ、思わず達してしまいそうになったのをなんとか我慢する。
手を手探りで動かし、稜の固くなったそれをぎゅっと握る。
生温かくて、橙里のものよりも大きくずっしりとした雄だ。見なくてもわかるほどの大きさで、かなり大きい。
握ったまま稜の顔を仰ぎ見ると、面食らったような顔をしていた。どうやら、握られるとは思っていなかったようだ。
「……」
「勃ってる」
「喘ぎ聞かされて反応しない男なんていねぇよ」
呆れたように、吐息混じりに耳に囁かれる。当然、橙里は「ぁう……」と甘い声を出した。
そういえば、稜に気持ちよくなってもらったことは一回もない。
是非、達して欲しいのだが。
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