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稜が言葉を切る。 一体なにを喋ろうとしているのかとひやひやしながら聞いていると、稜が橙里の目を真っ直ぐ見据えて言ってきた。 「俺が勝ったら、おまえが酔った日に俺がしたことをしてもらう」 「……」 「……」 「あ、それだけ?」 「まあ」 それならしてもよさそうだ。なにをしたかは全く記憶にないが。 話はこのくらいで区切りをつけ、お互いの屹立を握る。橙里が稜のものを扱いてから、稜も橙里のものを扱いていく。 「んっ……ふ」 向き合っている中、喘いでいるところをまじまじと見られるのは結構辛い。 なんとか抑えようとするもやはりというか、吐息が漏れていくだけだった。 「……止まってんじゃねぇか」 稜が橙里の手をたんと叩く。確かに止まっていたので、慌てて上下に扱く。自分のものも稜のものも水音を立てながら濡れていく。 橙里は、男の象徴を握られているのに涼しい顔をしている稜が不思議でたまらなかった。

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