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「……っ、な……」
「まず」
稜が舐めたくせに、そう言い放った。そう言うくらいなら舐めなければいい話だと思うのだが。
「うわーイっちゃったー……」
「早漏め」
「ひどいっ」
顔を覆いながら稜のことを睨む。やはり先ほどの笑みは消えていた。
橙里が先に達してしまったので、稜になにかをしなければいけない。自分がとんでもないことをさせていなければいいと願うばかりだ。
「……で? なにすればいいの?」
「……言っていいのか」
「うん。えっ、言えないようなこと?」
「文句とか言うなよ」
「言わない言わない! なに?」
「……フェラ」
「…………えっ?」
フェラ、という言葉を聞いて橙里は固まる。まさか、稜の凶器を咥えろということなのだろうか。
いや、それよりも。
「稜咥えたの? 僕のを?」
「おまえが舐めろって言ったんだよ」
「えー!」
──僕はなんてことを言ったんだ!
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