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「んぐ……」 口中になんとも言えない味が広がる。口に入りきらないほど大きくて太いそれが稜のものだと思うと恐ろしくなってくる。 全部咥えるのは厳しいので、半分ほど咥えてから口を離し、裏筋を尖らせた舌でなぞっていく。 ちら、と稜のことを見ると橙里のことを無表情で見つめていた。思わず、橙里は口を離してしまう。 「……気持ちよくない?」 「そうじゃねぇけど」 「じゃあなに?」 「……いや、やっぱ下手くそだ。なんも感じねぇ」 この台詞を聞いて、怒るのが正解なのかなにも言わないのが正解なのか。誰か教えてくれ、と橙里は思う。 確かに稜はなにも反応していないが、もう少し柔らかい言い方をしてくれてもいいのではないだろうか。 「もー……じゃあどうすればいい?」 「俺の言う通りにやってみろ」 そのまま稜が頭を掴んできたので、その通りに咥える。 気道が埋まる苦しさで目に涙がじわりと浮かんだが、そんなことはどうでもよかった。

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