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そう言われた刹那、口の中いっぱいに苦々しい液体が弾けるように入ってくる。 そのあまりの量に橙里は思わず口を離してしまった。そのため、顔や前髪に白濁が飛び散って、口の中のみならず首筋や顎にまで垂れていった。 なんとか口の中に残ったそれを飲み込もうとしても、粘り気がありすぎて中々飲み込めない。 何回か喉を動かし、ようやく生温かい液体が体内に入っていった。 「わり……」 「んんっ……だいじょぶ……」 稜が背中を摩ってくる。それが嬉しくて、橙里は力なく笑った。白濁がとろりと垂れていく。 綺麗な顔に男の欲望がへばりついている姿に眩まない男などいないだろう。稜も、これ以上ここにいるとさらに酷いことをしてしまいそうだった。 稜が橙里のことを見ないようにして、バスルームを出ていこうとする。 稜は行為を終えたあと、放置する癖でもあるのだろうか。 「どこ行くの?」 「先上がってる。処理してから出て来い」 やけにあっさりと終わらせ、バスルームの扉をぱたんと閉める。

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