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橙里の声が響き、それが直接耳に入ってくる。 稜にかけられたバスタオルをぎゅっと握りしめながら自慰していく。 稜にやられるように、先端を親指でぐりぐりと弄ると少しだけ白濁が噴き出てきた。 「はぁうっ……あっ!」 背中を丸めながら、バスタブの縁に縋り付く。 上下に扱いていると、ふと稜の顔が浮かんだ。それは欲情を孕んだ瞳をしているときの稜の顔で、十数年前のあの出来事が蘇る。 あのとき、稜を拒まずに受け入れていたら。 今のように快感を与えられていたのだろうか。 「う、ん……はぁっ、りょおっ……」 不安と後悔が押し寄せ、気付けば稜の名前を言っていた。稜の名前を言う度に、してはいけないと自己暗示するも破廉恥なことをやっているようで、ゾクゾクしている自分もいた。

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