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「もしもしー」
その数日後。いつも通り午前中は働き、昼休憩を取っていると母親である祐子から電話がかかってきた。
『もしもし。橙里?』
「うん。どうした? なんかあった?」
今でもたまに実家に帰ったりしているのだが、一ヶ月に一回仕送りがある。我が母親ながら、いい親だと思う。
橙里には姉がいて、その姉は東京でデザイナーをしていた。
滅多に電話をかけてこないから、なにかあったのかもしれない。
『あんたが高校生のときよくお世話になってた惣作おじさんっているじゃない?』
「ああ、うん。おじさんがどうした?」
『それがね……つい昨日、息を引き取ったらしいの』
「……え……?」
惣作、というのは橙里が高校生のときにかなりお世話になった親戚だ。
ついこの間もあったばかりだというのに、なにがあったのか。
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