175 / 527

[11]-12

「ねえねえ。二人の馴れ初めってなに?」 「馴れ初めって……」 「あー! アタシも気になるー!」 「ねー!」 幹が二人もいる。 「物心ついたときには隣にいたよ。それからはもうずっと一緒」 「マジで? えーいいじゃんいいじゃん」 「小学生の頃は一緒にお風呂入ったりしたの?」 今もたまに入るけれど。 この質問に答えるのはなんとなく癪で、稜の目を縋るように見ると稜がため息を吐いた。 「……こいつが一緒に入りたいとか言って」 「あらー!」 「うわ、ももちゃん大胆」 「子どものときの話だからな? 今は……違うかもしれないし……」 言葉を濁すと、目敏い瀬島が食いついてきた。 「え? ってことは今も一緒に入るってこと? 二人で?」 「やだー! アタシきゅんきゅんしちゃうー!」 「……」 「……」 やってしまった。

ともだちにシェアしよう!