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用意されている座布団に座ろうとすると、右腕にかなり強い衝撃がきた。
「橙里くん!」
「ぅわっ!」
そのままタックルをされ、押し倒される。勿論、押し倒してきたのは尋だった。
中学生ながらの無邪気な顔が、やや雄臭さを持った顔に変貌する。
「俺に会いに来てくれたんだね。ありがとう! やっぱり橙里くんは綺麗だね」
「……尋くんに会いに来たわけじゃないけどね……一旦退こうか」
尋の肩を押し、腹の力だけで起き上がる。すると橙里の隣に稜が座り、その反対側に尋が座った。
「ねえねえ、俺かっこよくなったでしょ?」
「そうだね。五年前とは大違いだよ」
「よく一緒に出掛けようって誘われるんだけど、橙里くんがいるからだめだと思って!」
「……は? なんで僕?」
「あれ? 橙里くんって俺のものじゃないの……?」
「うーん、尋くんのものになった覚えはないけど」
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