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「ねえっ……やだ……」
「なんで」
「だって、こんなの……!」
ただ身体を弄られているだけだろう。家賃代わりに身体を差し出すと言っただけなのに、これでは行為自体を楽しんでいるだけでしかない。
なにより、稜に触られて悦んでいる自分がみっともなくて情けなくて、嫌なのだ。
「ちがう……って、はあっ!」
「なにが」
「これじゃ……意味、ない……」
「……」
その言葉で察したのか、稜が扱く手を止める。それにより橙里の喘ぎはなくなったが、荒々しい息遣いが部屋に響いた。
稜が汚れた手をぺろりと舐め、ふーっと息を吐く。
そのまま屹立に下着が被せられ、稜と向かい合うようにして座った。一人半裸でもう一人が下着だけというのも変な状況だが、そこはもう目を向けてはいけない。
稜が胡座をかいた膝の上に肘を乗せ、考え込むように黙ってしまった。
橙里の屹立はすぐに萎え、元の大きさに戻っていた。
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