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「……実は、橙里さんたちがここに来て着替えに行ったとき、置きっぱなしのスマホを見つけて。届けに行こうと思って屋敷中歩き回っていたら……その、橙里さんの喘ぎが……」 「なっ……!」 「すみません。聞くつもりはなかったんですけど、不意に聞こえたものですから……あ、勿論すぐに離れたから安心してください」 ──ああ……やっぱり…… なんとなく、着替えてから戻ったときに康がよそよそしかったので変だなと思っていたのだが、まさか聞かれていたとは。しかも、あんなに情けない声を。 だから聞かれていたら大変だと言ったのに。 「……穴があったら入りたいってまさにこうだよな……」 「え、でも付き合ってるんですよね?」 「……」 「あんなことをするなんて……えっ、もしかしてセフレとかそんな感じですか?」 「いや……付き合ってはないしセフレでもないけど、ああいうことを……」 「つまり、身体の関係だと」 「……はい」

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