他人から見たらやはりそういう風に見えてしまうのだろうか。 橙里も身体の関係かもしれないとは思ったが、それはないと頭の片隅に置いておいた。 でも、面と向かってそう言われると少しばかりショックになる。 「……気持ち悪くない？」 「なにがです？」 「男同士で、とか……」 自分たちがそうだからそれが普通みたいに考えてしまっているけど、同性愛なんて簡単に受け入れられるものではない。 偏見を康が持っていたら、どうしようと思った。 「気持ち悪くないですよ。憧れてる稜さんと橙里さんが絡んでるって想像しても全然平気ですし」 「想像するな……」 「まあ、いいんじゃないですかね。面白いし」 丸みを帯びた瞳の眦がくっと下がる。そこには、康なりの優しさがあるような気がした。 日本酒を少しだけ口に含み、飲み込む。熱い液体が通る感覚が伝わってきた。