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「やってみよっか。じゃあ、片付けよろしくね」 「本当に行くんですか……わかりましたよ」 康が苦笑しながら手を振ってきた。あまり激しく動くと酒が回ってしまいそうだが、そこまで飲んでいないから平気だろう。橙里の思い立ったらすぐに行動する癖は、悪くもあり良い点でもあった。 暗い廊下を通り、ギシギシと音を鳴らす床に一歩ずつ足を踏み出した。頼りになるのは淡白な月光のみだ。 自分の部屋にゆっくりと向かい、到着したところで襖を開ける。 そこには死んだように眠っている稜がいて、何故かその姿を見て心の奥で欲情してしまう。 布団をゆっくりと取り、少しはだけた浴衣と逞しい身体を露わにさせた。目が行くのは当然結び目の少し下で、帯を慎重に解いていく。 黒いシンプルな下着に手をかけ、一気に下ろしていった。

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