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先ほど感じた激痛は一切なく、ローションのおかげでするすると入っていく。普段入れることのない場所に指が入っていくから、圧迫感がかなりあった。
「っ……」
「痛いか」
橙里が眉間に皺を寄せるから、稜が心配してくれたらしい。顔は見えないものの、声色がいつもと違って優しかった。
「痛くないけど……苦しい」
「……そうか」
まだ一本しか入っていないのにこれでは、稜のものは入るのだろうか。
そんな心配をしていると、稜が入れたり出したりを繰り返しているようだった。
「ん……?」
「とりあえず慣れるまで」
抱くなら早く抱いて欲しいと思っていたが、やっぱりきついかも。というのがある。稜なら絶対に橙里のことを気遣ってくれるだろう。でも、不安なものは不安だ。
ローションの量が追加され、さらに滑りがよくなっていく。それと同時にくちゅくちゅという水音が聞こえるようになってきて、圧迫感も少なくなってきた。
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