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「苦しくなくなってきたかも……しれない」 「ん」 「……なにやってんの?」 なにかが変なところに入っている、と橙里の身体が認識しているのか気持ちいいという感情は一切来ない。 だが、稜が橙里のなかをくるくるとなにかを探るように動いていたのだ。 「……前立腺」 「……へっ?」 「ここにあるはず」 「っあ!」 どこかをぐっと指で押され、橙里の身体がびくんと跳ねた。それは身体が勝手に動き、橙里もなにが起こっているのか全くわからなかった。 稜が橙里のその動きを見てにやっと口角を上げる。その次の瞬間、前立腺と呼ばれる場所を執拗に攻めてきた。 「ひぁっ……は……は、ああっ」 そこを触れられるとなにかのスイッチが入ったように橙里の身体が反応して、それに応じるように赤く色付いたくちびるから空気を吐き出すように喘いだ。 気持ちいい。 先ほどは全くなかった快感が波のように押し寄せてくる。とめどなくそれはやって来て、橙里のことを飲み込んでしまいそうだった。

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