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「ただ、君は欲を表しすぎただけ。もし稜の全てに自分を合わせていたら僕の立場に君がいたかもしれない。本当にそれだけなんだ。稜の傍にいるっていうことは、それなりに自分を制御しなくちゃいけないんだよ」 正直、稜の前であれしたいこれしたいと言うのは今でも不安になる。拒否されたら怖いし、なにか言われるたびに傷つくこともあった。 そんな思いをしてまで一緒にいたいのはやはり稜のことを理解して、隣にいるのが楽しいからだ。 「でもね、今では稜と一緒にいるのが楽しいんだ。お互い大人になったからかもしれないけど、それ以上に自分の全てを晒せたから。弱いところも変なところも、夜も」 夜、という言葉に女は反応した。 稜と身体の関係にあることを理解したような顔だった。 「だから本当に稜の隣にいたいなら、もっと自分の欲を抑えるべきだった」 「……」 「偉そうに言ってごめん。でも、これが言いたかったんだ」

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