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「なに話してたの?」 「ん……しょうもないことだよ」 「そっか。もうすぐご飯だって」 本当はしょうもなくないのだが、そう答えるしかない。当の本人は涼しい顔をしているし、尋も康も気にしていない様子なのでいいだろう。 ただ一つ言えるのは、稜が優しいということだけ。 ***** 「じゃあ、お母さんそろそろ寝るわ。みんなは?」 「あたしも寝よーかなあ。お父さんも寝るでしょ?」 「そうだな」 「僕も寝ます。尋も眠いでしょう」 「うん。おやすみー」 夜の十一時頃。いつもだったら潰れるまで飲む姉や父が次々自室に戻っていこうとする。 まだ中学生の尋が眠いのは当然だが、康も寝るとは心外だった。

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