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稜にはシンプルなチェーンネックレスを、橙里にはそれと同じブランドのブレスレットをくれた。 元は同じものを買うつもりだったらしいが、橙里が美容師だということを思い出して手元が映えるようにブレスレットにしてくれたらしい。 それを聞いて、稜も少しは康のことを見直したのだろうか。文句を言うことはなくなった。 服を脱ぎ捨て、適当に服を着る。セーターとチェックのパンツだ。 ほつれていないかどうかを確認してから急ぎ足で洗面所に向かった。 「寝癖やべえ……これやべえな」 なにかのキャラクターのような髪をしている。出来ればヘアアイロンを使って洒落た感じにしたいのだが、そんな時間もないのでジェルワックスを取る。 寝癖を隠すにはいつもはしないような髪型にしなければいけないので、前髪の半分をがっと持ち上げ、後ろに撫で付けた。 そのままその髪の束を片手で持ってねじっていく。それを何回か繰り返してから額がさらけ出されている生え際に金色のピンを差し込んでいく。 変な頭になっていないことを確認してからヘアスプレーを満遍なくかけ、リビングに戻って行った。

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