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「あっちょっと、ちゃんとゴミ箱に入れなきゃ……」 「……うるせえ」 稜が覆いかぶさってきて、反論せずにそのままになる。 稜の重低音が耳に直接響いてきて、腰に甘い刺激が与えられる。 「おまえは男優よりいい声出せるだろ?」 「りょっ……」 「せいぜい、かわいく鳴くんだな」 そう告げられて、なにも反応しない人間なんて存在するのだろうか。 ***** 「ひぁっ!? あぁっ……や、んぅっ!」 「……ここか」 先ほどから、稜に向かって尻を突き出す体勢で指を突っ込まれている。淫らな水音が寝室に響き、橙里の気持ちを高揚させていく。 稜は橙里に甘い言葉を囁いたりすることはせず、事務的に指を入れて橙里のことを(なぶ)っていた。

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