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「一応身体鍛えてるしな。でも三十超えてるから辛いときもある」
「……あるんだ」
「歳には反抗できねえよ」
「高校生って偉大だよなー……なんでも出来るもんな」
「なんでも、は言い過ぎだけどな」
実は、稜とこうして特に内容がない話をするのが好きだったりする。橙里の下らない話に反応してくれたり、稜のことについてさらに深く知ることが嬉しいのだ。
新たな一面を知るのは好きではないけど、知っている面をさらに深く知るのは好き。
自分でも矛盾していて面倒臭いと思うが、それでも稜は嫌わないでいてくれる。
「まだバスケ出来る?」
「……やったら筋肉痛になるだろうな。おまえももう無理だろ」
「いや、意外と出来るかもよ? 背は伸びなかったけど」
「百七十五超えてるんだから別にいいだろ」
「百七十七センチだけどな。知ってる? 日本人の男の平均身長は百七十二らしい」
「ふぅん。俺はそれより十センチ高いけどな」
「その内の五センチ寄越せ」
「断る」
「はあ〜。そんなに僕を見下すのが好きかね」
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