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何気なく言ったつもりだったのだが、稜が口を閉ざした。相変わらずの無表情でなにを考えているのかは全くわからない。 橙里が稜の顔を覗き込むと、稜が悪戯に微笑んでから髪を触ってきた。 「おまえが俺より高くなったら抱きしめられなくなるだろ」 「……っ!」 「おまえも普通より大きいからな。おまえのかわいいところが見れるのは俺だけでいい」 好きな人にそう言われて喜ばないわけがない。いや、それよりもそんなことを普通に言えるのがすごいと思う。 顔の火照りが収まらなくて、稜から隠そうとすると見られてしまった。 「……顔真っ赤」 「っぁ……!」 耳元にそう囁かれ、先ほどの続きをしたのは当然のこと。

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