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その言葉が橙里に言っているみたいで、思わず驚いて『……ぇ』と声を出してしまった。 『……稜?』 『うん?』 身体は窓に向いていて、目だけで橙里のことを見てくる。そんな稜が大人びて見えて、手が届かない場所にあるような特別なもののように感じた。 それと同時に、思った。 そんなに稜に愛されているなんて、羨ましいと。 *****

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