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ベッドから降りようとも思ったが、ふらふらしていると熱が下がるどころか悪化してしまうだろうから、大人しくしていなければ。
毛布を被っていると段々暑くなってきて、苦しくなる。
またこの感覚か、と思う。
締め付けられているような、押さえられているような。動こうとしても自分の身体ではないような感覚に襲われ、寝ていることしか出来ない。
「はー……」
大きなため息を吐く。脱力感に苛まれ、頭もぼうっとしてきた。
そろそろ本気で寝ないと辛いかもしれない。
寝ても悪夢しか見ないのに、苦しくなることを承知で橙里は眠りについた。
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