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「……いやあ、久しぶりだよなあ。すっかりイケメンになっちゃって」 「……そうか?」 会ってからというものの、目の前にいる旧友はその台詞をしきりに繰り返していた。 山本、という名の彼は中学生の頃は明るい性格で誰とでも打ち解けられていたが、その性格は今でも健在のようだ。 「橙里はどうしたんだ? 一緒に住んでるんじゃないのか?」 「熱出したんだよ。あいつ一回熱出したら長引くから」 「へえー、大変だな。確かに、中学生のときも結構病欠してたもんな。でも橙里には会いたかったなあ」 山本がコーヒーを啜る。稜に比べればその容姿は劣るものの、それでも大人の色気に溢れていた。 だが、稜は山本の言葉に引っかかっていた。

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