314 / 527

[17]-14

「会いたかったか」 「そりゃあねえ。橙里はダントツ顔が整ってたからな。気になるに決まってんだろ〜」 「……写真見るか」 「見せて!」 携帯を片手で弄る。普段人物が映る写真を撮らないのだが、橙里が「撮りたい」としつこく言ってきた為撮ったものだ。 ここだけの話、橙里だけが写っている写真フォルダを作っている。まあ、それは正直写真写りが良すぎて見せられないのだが。 「ほら」 「どれどれ……ぅわっ! なにこれ。美人がいる……!」 「男だけどな」 橙里の実家に行ったとき、折角だから撮りたいと橙里が言ったときのものだ。これには稜も写ってしまっているが、胸元がはだけた橙里は新鮮なので残しておいてある。 山本も、橙里の変貌ぶりに驚いているようだった。 「綺麗だなー橙里。やっぱ会いたかったわ」 「そんなにか」 「美容師なんだっけ? 結婚してそうだけど……してねえんだもんな」

ともだちにシェアしよう!