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そういえば、山本は当時橙里にべったりだった。山本は普通に女が好きだが整った橙里の見た目が好きだとも言っていた記憶がある。 「俺橙里にプロポーズされたら速攻おっけーしてるな」 「いや、されねえだろ」 「わかんねえだろー? 実はずっと前から好きでした! って来るかもしれないし!」 「ねえから安心しろ」 パスタをくるくるとフォークに巻きながら稜がそう言い放つと、山本が大袈裟にショックを受けていた。 「えー……やっぱ稜って辛辣だよなー。そんなんじゃ結婚出来ないぞ?」 「する気ねえし、いいよ」 「……えっ?」 「結婚する気もないしそんな相手もいねえから」 「……ええーっ?」 てっきり稜に恋人がいるとでも思い込んでいたのか、山本が大きく動揺していた。

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