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なにを言い出すかと思えばそれか。
確かに抱いてと言えばもしかしたらそうなるのかもしれないのだが。
「いや……男としてそれは抵抗がある」
「まあそうですよね。うーん……」
またもや戸園が考えるように宙を見上げた。そんなに真面目に考えてくれるのはありがたい。
橙里もなにかいい案がないものかと思案する。いや、待て。これは抱かれる為にはどうすればいいのか、ということだよな。
──なんか誘い方をどうするかみたいになってるけど、いいか。
「ももさんって関西弁喋れます?」
「あ、一応。でも最近標準語で慣れちゃってるから使ってないなあ」
「ちょっとこれから五分くらい関西弁で喋ってみません?」
「いいよ」
それになんの意味があるのかはよくわからないが、なんとなく面白そうなのでやってみることにした。
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