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キラキラした戸園の目を見ながら、橙里は苦笑した。本当にいいと思っているとらしく、なんとなく不思議な気持ちになる。
そうか。関西弁か。
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「……ただいまー……」
仕事が終わり、一人で夜道を歩いて誰もいない家に入った。稜がいないこの家は酷く静かで、居心地がどことなく悪くなる。
とにかく早く風呂に入りたくて、スイッチを入れる。タイマーにしておけばよかったな、と思いながら携帯を弄り、稜に連絡する。
『家に着いた』とだけ打ち込み、送る。既読が付くかどうかはわからないが一応送っておこう。
していたネクタイを解き、第一ボタン、第二ボタンと片手で外していく。くたびれたシャツにはたくさんの皺があった。
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