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「ん……疲れたあ」
美容師というのは本当に座っている暇がなく、ずっと立ちっぱなしの為たまに脚が痛くなってしまうのだ。今日も、かなり痛い。
脚専用のマッサージ機を実家に置いたままなので、新しく買おうかと思っていると稜から返信があった。
『わかった。俺ももう飲み屋にいる』
ちゃんと返信してくれたことが嬉しくて、口を弛ませる。口角をきゅっと上げる姿はかなり魅力がありかわいいものだ。
出来るなら電話をかけて、声を聞きたい。でも、それでは迷惑をかけてしまうからなんとか我慢して風呂場に向かう。
さっさと服を脱ぎ、裸になってからお湯に浸かった。
「……関西弁、か」
稜と橙里が住んでいた地域は関西弁で喋る人間が多くなく、稜も橙里も標準語で会話をしていた。
少しだけ周りに関西弁の人間はいたが、影響される程ではなかった。
──でも、稜の関西弁を聞いてみたい。
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