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『りょーお』 『……重い』 その日の放課後。座っている稜の後ろから思いきり抱きつき、体重をかけた。 昼に女子と話した際、その男子生徒は放課後になるとよく活動すると聞いたのでその情報を頼りに教室に残ったままでいた。 稜に“作戦”を話すとかなり嫌な顔をされたが、アイスを奢ることを約束してなんとか許可を貰った。 稜の制服からは、爽やかな匂いがする。不快感が一切ないその匂いは不思議と安らぎをくれるものだった。 『……いつまでこうしてんだよ』 『うーん……いつまでだろ』 『おい』 『しょーがないじゃん。今のうちに諦めて貰わないと、襲われたら僕の力じゃうどにもならないんだから』 『……』 『へっ』 『腕相撲もクソだしな』 『やめろ。それを今言うんじゃない』 抱きついている状態でロマンチックもクソもない話をする。稜もなんだかんだ言って反抗はしてこないし、大人しい。 このままの状態でいつまでいればいいんだろうと思っていると、急に稜が立ち上がる。 『っぶね!』 『おまえからやるより俺からやった方がいい』 『なにが?』

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