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記憶はそこで途切れた。そこからなにがあったのか覚えていないし、自分がどう思ったのかもわからない。 でも一つ覚えているのは、夕焼けに照らされた稜がとてつもなくかっこよかったということ。 その稜でかき消されてしまったが、我ながら人の好意を踏みにじるようなことをしてしまったことを本当に申し訳なく思う。 いや、そもそも好意を抱かれていたのかどうかもわからないしあれが好意を踏みにじるようなことなのかも知らない。 それでも、あれは酷かった。 そう思っていると隣に座る戸園に声をかけられた。 「……ももさん? 注文どれにします?」 「あっ……やべ」 メニューを慌てて見る。そこにはよくわからないカタカナが並んでいて、つい目を細めてしまった。レストランに来ていたことをすっかり忘れていた。 「蒼樹どれにした?」 「俺これですね。仔羊のなんとかーってやつ」 「僕もそれでいいや。てか、羽村さんどうした?」 「……体調が優れないそうで」 「ヤリ過ぎ?」 「……まあ、言うてまうとそうです。だってえらいかわいかったんですもーん!」

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