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「だって、ももちゃんは見た目の通りかわいいじゃない?」 「……」 「だからこそ心配なの。ももちゃんには今『恋人』というものがいないでしょう?」 「……あー……まあ」 「なにかあったときに一番頼れるのは家族よね。でも、ももちゃんの実家は京都で、迷惑をかけるわけにもいかないわよね? だから、次に頼るのは恋人だと思うの」 「……」 その通りだ。出来る限り家族に迷惑はかけたくないし、心配もさせたくない。 自己解決してしまう癖があるのも、きっと幹はお見通しだろう。 「でも、ももちゃんにはいない。だから、なにかあったときにすぐ助けに来れる人がいないと思うのよ。蒼樹ちゃんにもパートナーがいるし、海景ちゃんにも今そのようなコがいるしねぇ」 瀬島が肩を竦めた。代わりに矢本が幹の方を見て気まずそうに頭を掻く。 幹は、なんでもわかっているのだ。

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