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「……ま、一番いいのはももちゃんにパートナーが出来ることね。そしたらアタシが纏わりつく必要もないわ。既にアタシには相手がいるし。そっちに集中出来るものね」 「え、いんの!?」 「いるわよお! 一個年下なのだけれど、少し鍛えられた身体がいいのよねえ!」 「……」 男かよ。 矢本と心の声が被った気がした。 「あら、話が脱線しちゃったわ。結局言いたいのは、ももちゃんに恋人が出来て欲しいってことね。アタシがももちゃんのことを色々言ってたのは、まあ大して意味はないわ」 「意味ないんかい」 「アタシとしては稜くん辺りがいいと思うのだけれど。どお?」 急に稜の名前を出されて、橙里は顔を伏せる。赤くなった顔を隠すためだ。 どう、と言われても。答えは一択しかない。 ──僕は、稜と恋人同士になりたい。 すると、携帯が振動する。誰かからのメッセージだろうかと思っていると、稜からだった。 そこには。 『髪切ったの似合ってる』 とだけあり、橙里は更に赤面した。

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