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「……うおっ」
「別に……俺まだ雑用でいいんだけどね。お節介しなくていいのに」
矢本がやや呆れたように、吐き捨てるように言った。
そんな姿が自分と重なり思わず苦笑してしまう。若いときの橙里のようだ。
「……樹」
「なに」
「一緒に買い出し行こうか」
「……はあ?」
*****
「……で、なんであんたがついてくんの」
「まあ、いいじゃん。僕が予約あるの一時くらいだし。一時間くらい外に出ても平気だろ」
「いや……そういうことを言ってるんじゃなくて」
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