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「……まさか、連行される?」 「馬鹿。しねえよ」 「じゃあどこ行くんだよー」 「ん、おまえと行きたかったところ」 橙里と行きたかったところ。その響きがなんだか特別なもののように感じて、つい顔が緩んでしまう。 車を稜が発進させ、独特の感覚に襲われたところで何故か急に眠気がやってきた。 「やっば、眠い」 「少し時間かかるからな。寝ててもいい」 「うーん、着きそうになったら教えて」 「ん、おやすみ」 稜が頭を撫でてくれた。その手つきが気持ちよくて、あっという間に眠りについてしまった。 この先、なにがあるのかも知らずに。 *****

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