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一瞬、なにを言われたのか理解出来なかった。でも、それは橙里の顔を真っ赤にさせるのには十分すぎる力を持っていた。 まさか、稜がそんなことを言うとは思わなかった。そして、稜が橙里のことを好きだなんて想像も出来ない。 「……え……」 「俺がおまえにキスしたのも、おまえのことが好きだったから」 「……」 「で、なんで同居を許したのかも気になるよな。それもおまえが好きだから」 「……」 「身体で金を払ってるよな。それも下心があったからだ」 「……」 「……橙里」 衝撃な事実を言われ、言葉が出ない。驚き過ぎて声すらも出ないのだ。 そして、名前を呼ばれる。 それに応じるように顔をゆっくりと上げると大好きな顔が目前に迫る。 「俺のものになれ」

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