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「……ももちゃん、なんか……やけにソワソワしてない?」 「あ、わかる?」 「だらしない顔してるよ」 「樹、おまえな……」 誕生日の翌日。今日は稜が生まれた日だ。 晴れて稜と恋人同士になったわけだが、今日初めて稜に抱かれる。 気持ちいいのか痛いのか、橙里にはわからない。 「……瀬島さん、樹」 「ん?」 「なに?」 「僕、稜と付き合うことになったよ」 「ゔえっ!?」 そう告げると、二人とも目玉が飛び出そうなほど目を見開き、絶句した。急に言い過ぎたか。 休憩室で温かいカフェオレを飲みながら話していたのだが、樹に至ってはそれを吐き出しそうになっていた。 「……百川さん、それ本当?」 「え……うん。俺のものになれってそういうことだよな?」 「あー……」 「え?」 何故か瀬島が項垂れた。

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