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「えっと、まずはおめでとう」
「あんがと……?」
「じゃ、賭けは俺の勝ちってことで」
「……賭け?」
なにか二人で賭けをしていたのだろうか。それも、橙里に関係する。
瀬島がため息を吐き、苦笑した。
「しょうがない。付き合ってあげるよ」
「……え、本当?」
「だって、オレのこと好きなんでしょ? あんなにアプローチされたらこっちももういいやってなっちゃうし」
「……へっ?」
ただ一人、橙里だけが置いてけぼりだ。
──えっ……と、要するに……?
「僕が付き合うかどうかで賭けてたってこと?」
「そういうこと。もし、今日までに百川さんが付き合わなかったら海景さんの勝ちで俺はもう付きまとわない。でも、今日までに百川さんが付き合ったら俺の勝ちで海景さんと俺が付き合うって賭けをしてたんだよ」
「おまえなあ……僕の純情を影で弄びやがって」
「いや? これ提案したの海景さんだよ。ねえ?」
「……ええ?」
瀬島が?
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