447 / 527
[23]-21
「……あ……」
微笑を浮かべ、心がこもったような声でそう言われた。涙がとめどなくぼろぼろと零れる。
口を塞ぎ、涙が溢れて潤んだ瞳で稜のことを見つめれば稜が更に慈愛に満ちた優しい顔をした。
「なに? 泣くほど嬉しかった?」
「んっ……ふ、だって……」
「本当……かわいいな、おまえは。かわいすぎる……」
頭をぐるりと撫でられ、優しく甘いキスをされる。
優しく扱われ過ぎて頭がおかしくなりそう。
キスをされながら、もう一度強く突き上げられる。その刺激に奥で稜をぎゅっと締め付けると、稜が言った。
「……そろそろ出る」
「は……んっ、ぼく、も……あうっ、あぁっ────!」
「っ、く……」
中に稜が多量の白濁を吐き出す。それと同時に橙里も何度目になるかわからないくらい達した。
互いに息遣いが荒くなる。
特に合図をするでもなく、自然とくちびるが引き寄せられてキスをした。
好きという二文字だけでこんなにも幸せになれる。言葉は偉大だ。
そして、心の中で告げる。
──稜、大好きだよ……
*****
ともだちにシェアしよう!