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待って。待ってくれ。頭が追いつかない。
ということは、稜はずっと橙里のことが好きでそれ以外の人間を好きになったことがないということか。
「えー……びっくりなんだけど」
「そりゃ言ってなかったからな。やっとセックス出来た」
「……稜さん、もしかして僕のこと大好きなんじゃ……」
「悪いか? 俺に愛されるのは嫌?」
「嫌じゃない!」
橙里が少し大きい声でそう言うと、稜がふっと微笑んだ。
ああ、嵌められた。
「もう……! 稜ってほんとずるい……」
「既に知ってることだろ、今更なに言ってんの」
稜のイメージが崩れていく。
火照った顔を冷ますためにぱたぱたと手で顔を扇いでいると、あることを思い出す。
「あ……稜、ベッドの下にある紙袋取って」
「……ん?」
稜がベッドの下を見ずにごそごそと漁る。すると紙袋の質感がわかったらしく、橙里が用意した真っ黒な紙袋を取り出した。
「……これは?」
「一日遅れたけど……誕生日プレゼント」
「お、ありがとう。……別に、貰えるのはおまえだけでよかったんだけどな」
「そんなわけにもいかないだろ。折角僕が用意したんだから」
「ん、開けるぞ」
稜が起き上がり、紙袋を開けた。中身のものを取り出すや否や目を大きく見開かせる。
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