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朝っぱらからかなり不躾な話をしていると、電話の対応を終えた戸園がやってきた。今日も爽やかだ。
「お、みなさんお集まりで。なんの話しとったんですか?」
「百川さんがセックスしたって話」
「えーっ。おめでとうございます!」
戸園が小さく拍手をした。それを防ぐ為にその手を掴むと羽村に嫉妬されそうになったのですぐに離す。
そろそろ掃除をする為に話の輪から外れようとすると呻き声が聞こえた。瀬島の声でもないこの声は。
「ゔぅ……いったいわあ……」
「みっ幹さん!?」
幹がカウンターの奥で腰を押さえて呻いている。瀬島といい幹といい、この腰の痛がり方は一つしかない。
「幹さん……ヤった?」
「ヤってないわよギックリ腰よ!」
「……あ、そう。ちょっと退いて」
「ももちゃん、ギックリ腰舐めたらダメよ!? ほんっとーに痛いんだからね!? これは経験しないとわからないわよ!」
若干キレ気味な幹を無視して箒を取り、店内を掃除する。
今日も、始まる。
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