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「……だって、ももちゃん。稜くん、本当にももちゃんのこと好きなんだね……?」
「恥ずかし過ぎる……」
つい口を手で覆うと女性がにこにこと笑ったまま優しい眼差しで見つめてきた。
自分は本当に恵まれている。
*****
「ありがとうございましたー」
今日予約していた分のカットを終え、最後の客を見送ったところで時計を確認する。
いつもより少し早い時間に終わったのでたまには片付けを手伝おうかな、と思い瀬島の元へ向かうと瀬島も橙里のことを探していたようで橙里を見て「いた」と声を漏らしていた。
「腰大丈夫?」
「うん、なんとかね。店長もギックリ腰で腰やったみたいだし……迷惑かけてごめんね」
「平気。それぐらい僕に甘えてくれてもいいじゃん」
「わーかっこいい!」
瀬島が揶揄を含んだ声色でそう言ってきた。ついぷっと笑ってしまう。
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