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「……ね、ももちゃん」
「ん?」
「ももちゃんはさ、神様のこと信じる?」
「……え」
急に思い質問を投げかけられ、戸惑ってしまった。
瀬島は滅多にそういう真面目なことを言わないので驚いた反面、自分と同じようなことを思っているとわかり安心した。
「……信じるときもあるし、信じないときもあるね」
「例えば?」
「例えば……稜と再会したとき。そのときは神様が巡り合わせてくれたと思った」
「信じないときは?」
「……そうだな……身近な人が亡くなっていくときかな。どうしてこの人が亡くならないといけないんだって憎んだことも散々ある」
橙里の家系は大きな病気にかかるケースはない。だが、少し離れると癌だったり身体が生まれつき弱かったりする。
だから、親戚が亡くなるたびに思う。
どうしてあんなに優しくしてくれたのに息を引き取らないといけないのかと。
そのいい例が惣作だ。
いつも心の拠り所だった。愚痴も聞いてくれたし、特に内容がない話でも嬉しそうに聞いてくれた。
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