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「やだっ、二人ともお揃いの指輪付けてるじゃない、素敵ー!」
幹が橙里の右手をがしっと掴み、まじまじと指輪を見た。心做しか目がキラキラと輝いている。
反抗するわけにも行かず、じっとしていると幹がかなり強い力で抱き締めてきた。このおじさん、腰平気なのか?
「ちょ、苦しいっつーの」
「幸せそうでよかったわあ! もー、ももちゃんかわいいー!」
耳元でハスキーボイスが鳴り響く。
ありがた迷惑なその行動に、その場にいた戸園と羽村も苦笑していると、稜に腕を掴まれた。
そのまま稜に引き寄せられ、気付いたら稜に抱き締められていた。稜ならではの温かい匂いがする。
「……俺のなんで」
「……──!!」
明らかに独占欲と嫉妬丸出しの声色に、つい赤面してしまった。
羽村と戸園も息を飲んでいるようで、幹はきっと唖然としている。
そのまま手を握られ、あっという間に引っ張られてしまった。
冷たい外気に身体を包まれて、つい震えてしまう。
「稜……あそこまでやる必要ないじゃん……! 明日どんな顔して行けばいいんだよー」
「……」
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