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稜さんの憂鬱5
どうしてそこまで恥ずかしがるのかわからない。橙里が買ってきたわけでもないのに、精力剤そのものが恥ずかしいのか。
しかし、これを飲んだ橙里がどうなるのかは知りたい。
稜は内心ほくそ笑み、無表情で言った。
「……使ってみるか」
「ぅえっ」
「もったいないだろ。それに、効果にも個人差がある」
「……そうかな?」
よし。
橙里は基本的に稜が言うことに疑問を抱いたりはしない。そのため、稜がしようと言ったことならそれに素直に従うのだ。
「じゃあ……使ってみる」
「ん」
まだ夜になるまで時間はあるが橙里に使ったらどうなるのかが楽しみだ。
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